アイテム詳細
河出書房新社
グループ:Book
ランキング:305
価格:¥ 1,365
ポイント:13 pt
発売日:2008-04-17
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カスタマーレビュー ![]()
ふたりの作家が奏でるハーモニーは、宝石のようにきらめいて
(2009-01-05)
仲良しのことりの死にふさぎ込むくまを主人公にした湯本香樹実(ゆもと かずみ)さんのおはなしに、酒井駒子(さかい こまこ)さんが絵をつけた一冊。
ゆっくりと歩く速さで進んでいくおはなしのあたたかさ、切なさと、グレーの背景に描かれた絵が醸し出す、ひとこま、ひとこま、静かに心にしみてくる味わいと。ふたりの作家が奏でる作品のハーモニーが、川底の宝石のようにきらめいていて、素敵でした。
カメラのファインダーから覗くように描かれた絵の中にあって、時折差し挟まれる見開き二頁にまたがる絵。これがとても素晴らしかったなあ。
森の中を舞台にした絵本てことでは、マリー・ホール・エッツの『もりのなか』(福音館書店)に通じるところもあるけれど、あの作品が森の中から出てこれなくなってしまうような怖さがあるのに比べて、この『くまとやまねこ』のほうには、清々しく明るい空気感もありましたね。
やまねこが出てくるところから雰囲気が変わる転調の調べ。話の中にさらに引き込まれる魔法を感じて、魅了されました。
もろともに。
(2008-07-17)
胸が痛くてことばが出ない。
突然の別離を、この悲しみを、どこに持っていけばいいのか。
ことりの死をただこころに抱いて、日を繋ぐくま。
胸塞ぐくまの想いにそっと寄りそったやまねこも、
きっと自分のなかにある同じ悲しみ、苦しみを再び感じたことだろうに。
いつも胸にしまってある想いに、再び向きあわねばならなかっただろうに。
生きていくことの不条理もやりきれなさもふたりは知ったのだ。
愛した思い出と喪った悲哀と、もろともに新しい朝を迎え続ける「覚悟」のようなものを、
ふたりの背中が語っている。
読むたびにことりを思い出します。
(2008-07-07)
正直、買う予定ではなかったのですが
店頭で平積みしてあるのを見過ごせなくて購入してしまいました。
気安く買ったことを後悔するほど心が痛くなります。
『いつもの朝』はいつでもいつもの朝とは限らない。
毎日を大切に生きていきたいと感じている私にとってグサリとくる内容でした。
なぜなら私は(くま)と同じような状況で友達(ことり)を亡くしています。
冒頭から死でしかも近い状況であったため私的には苦しかったのですが
別れがあるから出会いがあるという事は未来を予想させ今を生きていると思えます。
亡くなった友達のために恥ずかしくない生き方をしたいと常に思っています。
その事をやまねこがくまに教えてくれます、未来とともに。
「きょうの朝」をむかえて
(2008-06-11)
静かに横たわる小鳥が描かれたタイトルページ。あまりにも唐突な死との
出会いに ボクはしばらく画面をボーッとながめてしまいました。
続いて、小鳥を前に肩を落とし座り込むクマの姿が。ふたりは仲良しだったんですね。
こんなときクマにかけてあげる言葉があるだろうか…
ボクはただただ、画面を見守ることしかできませんでした。
その後、小鳥を小さな箱に入れ いつも持ち歩くようになったクマのなんと痛々しいことか。
架空の世界での話ですが、魔法じみたことは何も起こりません。死は死なのです。
あえて奇跡とよべるとすれば、それはヤマネコとの出会いでしょう。
彼も何かしら捨てがたい過去を抱えているようで、心の底でクマとつながり合うのです。
死は終わりではなく、永遠という旅立ちの始まり。
そんなことを、ふたりの後ろ姿から感じました。
モノクロームで描かれた世界が象徴的です。こんなにも純粋な白があったんですね。
通い合う心
(2008-05-05)
生に死を織り交ぜて、文を紡ぐ湯本さん。
一枚の絵で、刹那に永遠をとどめる酒井さん。
世界が待望した夢のコラボレーションです。
まるで本当の生きている時間のように、一頁、一頁がずしりと重く、しかし、しっかり進んでいく。
くまとやまねこの深い深い心の通い合いに美しいものを見た気がします。

