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平凡社
グループ:Book
ランキング:486674
価格:¥ 1,260
発売日:1987-03
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カスタマーレビュー ![]()
古くない、なおかつ残すべき作品
(2008-06-15)
静かな「工場見学ブーム」が到来してすでにけっこう経つが、この本はそれよりもずっとずっと前(20年前なのか!)に書かれている作品。このあたりの先進性(?)も、ハルキさんらしい気がしますが。
いまの工場見学が、「でっかい機械」とか「すっごい技術」に萌えてるのに比べて(ブームをざっくりと見た印象ですが)、この本では、その工場で働く「人」やそこにある「物語」に目を向けている。小説家が書く見学記ならでは、といった印象です。
消しゴム工場が出てきますが、いまでも変わらずご商売を続けられているのだろうか…。年月が積み重なれば、経済状況も変化する。その意味で、後世に残しておくべき文章だと思う。
CDはこれからも作り続けられるだろう
(2007-01-21)
小説というと無から有を生み出すみたいなイメージがあるけど、工場見学体験記であれば私でも小学生でも書けます。見たこと聞いたことをそのまま書いて、それに感想とイラストを付け加えればいいんですからね・・・。
やはり一番面白かったのは「経済動物としての牛」です。一頭一頭の牛たちの殺される年齢の基準は金しかないというからさっぱりしたものです。片や、高齢犬たちは人間同様、オムツをつけて生活しています。人間のために存在することは同じなのに扱いはずいぶん違います。
工場の工場性とはなにか?
(2005-10-16)
村上春樹氏がご存知、安西水丸氏と工場見学に行ってレポートをする。それだけといえばそれだけなのだけど、まあ、この二人のことだから、当然、行き先も人体標本工場とかアデランス工場なんてちょっと一筋縄じゃいかない感じになっています。
村上氏には、物事を形而上的というか少し思想的に見る傾向があるような気がするのだけど、本書も例によって、「工場」の「工場性=工場の本質」を説く、「春樹流工場論」の様相を呈していて、ああ、やっぱりこの本はこの人にしか書けないだろうな、という気にさせます。
特に、結婚式場を「工場」としてカテゴライズし取材した「工場としての結婚式場」の章は秀逸で、工場見学=社会科見学が一転、資本主義社会批判に昇華されるような凄みがあります。(そういえば、村上氏の小説でも、高度資本主義社会は結構槍玉に挙げられていますよね。)
ただの工場紹介本で終わらず、各種工場がどのような象徴的悲しみを抱えているのか、そして、職人がどれほど職人的な仕事をしているのか、といった部分に深みがあって面白いと思います。
ある種の本が読後、食欲を誘うように、この本を読み終わったとき、工場見学をしたくなりました。
そういう本って、なかなかないですよね。
え〜と、つまり、そういう本なのです。
ものづくりへの好奇心。ほのぼのとした現場。
(2004-11-12)
タイトルからすると山根一真氏の「メタルカラーの時代」っぽい
内容なのかと想像してしまう。
しかし内容は非常にほのぼのと取材対象に対する少年のような好奇心と
愛着が感じられるとても楽しい本だった。
取材対象も、結婚式場、小岩井農場、アデランス、消しゴム工場などと
決して先端技術を駆使したものや、特殊な技術を使った物を選んで
いるわけではなく、純粋に村上氏の好奇心で選んでいるようである。
氏も同じことを本文中で書いているが、小学生時代に行った
あの工場見学の雰囲気で大人がいろんな(もしかしたらマイナーな分野といわれるかもしれない)工場を取材したルポと言ったところである。
堅苦しくない雰囲気で堅苦しそうな「工場」と「工場で働く人たち」の
お話を読める、そんな本である。
村上ファンなら読んでもよいかな・・
(2003-07-30)
村上春樹がイラストレーターの安西水丸と工場見学をしたというエッセイ。工場の選定自体がユニーク。人体模型製造だったり、消しゴム工場だったり、結婚式場、かつら工場、CD工場など。
書かれた時期が80年代後半で経済環境も世相も変わっており、今からするとやや古くエッセイの内容としては旬を外れた、という感じはする。文章のタッチも最近の村上春樹とやや印象が異なる(こちらのほうが饒舌)。
印象的なところでは、小岩井牧場の章の、「工場としての牧場」、「経済動物としての牛」を描いた部分。これは今読んでも新鮮。
全体からすると、村上ファンとしては読んでもよいかな、という感じかな・・・
アデランスのかつら工場の話もあるが、「ねじまき鳥クロニクル」で笠原メイがかつら会社のバ!イトをするというエピソードはここで取材した内容によるのかしら、なんか思えてしまう。

